絵本専門士になって3年、引き続き、絵本の仕事が増えてきています。2024年は、絵本制作(編集)、選書、作家インタビュー、絵本展レポートなどを担当しました。
【絵本制作】
昨年に引き続き、企業絵本や付録絵本などを制作しました。今後も増やしていきたい案件です。子ども向けのお菓子、商品、サービスなどをモチーフに絵本を制作したり、ファミリー向けのイベントの導入になるような絵本を制作するものです。まだ形になっていないので詳しく言及しませんが、いまは神社ともお仕事しています。
出版系以外の人と絵本を作るのはすごく大変なのですが、コンセプトを聞いて話を作ったり、落としどころを考えていったり、でも子どもが手に取ってくれるしかけを考えていったりという部分で、比較的苦にならない性格なのかもしれません。クライアントと相談しながら、丁寧に絵本を作っていきます。
そしてどこに届けるのか告知や流通の部分も、いま思案中です。「全国書店」という呪縛から離れていい時代に来ているかもしれないと思っています。
絵本もいろいろな形があって、紙のハードカバーがたまらなく好きな人もいれば、簡易製本、電子書籍、動画にしてyoutubeにアップ(英語字幕付き)など、いろいろ試しています。私は物語に音楽をつけてコンサートをする音楽教室に所属しているので、来年はそのあたりもだんだん形にしていけたらなあと思います。
ちょっと大人に寄った、ニュアンスを含んだ絵本も作ってみたいですね。
一緒に絵本を作ってくれるイラストレーターさん、エディトリアルデザイナーさん、動画制作さん、もしよければお声がけくださいませ。来年7月に初クリエイターエキスポにも参加予定です。
【絵本編集】大木製薬パパ―ゼリーの付録絵本を作りました<白泉社・kodomoe>
https://ehon-press.amebaownd.com/posts/52212727
【作家インタビュー】
今年は、岩崎書店の90周年にあたる年で、HPのスペシャル作家インタビューを担当しました。五味太郎さん、あんびるやすこさん、山本孝さん、今西乃子さん、どの先生もとても興味深いお話をお伺いしました。
今年の朝日新聞社「好書好日」のお仕事で印象深かったのは、バッタ博士の前野ウルド浩太郎さん、女優の安藤サクラさん、あとは雑誌「さがるまーた」の取材でしょうか。言葉のセンスがものすごく高い方々や魅せ方に対して斬新なアイデアを持っている方たちは、お話をしていてしびれますね。これはみんなファンにならずにいられないだろうなというオーラを感じます。
コロナ禍でオンライン取材だった翻訳家のふしみみさをさんと、講演でお会いできたのも嬉しかったです。非常にチャーミングな方でした。
素敵な方とお話すると、ああ、自分もこんな風に素敵でありたい、気持ちよく仕事できる人でありたい、と心から思います。自分の齢の取り方を振り返ってしまいますね。そういう憧れの部分を読者の方にもお届けできたらいいなと思います。
【講座】
昨年に引き続き、絵本専門士として市民講座の講師に呼んでいただきました。
人前に出るのは毎回ドキドキしますが、スライドに頼りながら、絵本のことならどうやら話せるようです(笑)。
毎回どんな人が来るのかは必ず確認します。このバックボーンを持っている人なら、どんな内容に満足感を得られるだろうかと考えながら準備。参加者が絵本を1冊ずつ持ってきている会は、紹介した絵本の中から、次の人につながりそうな要素を抜き出してまわしたり、いろいろやりましたね。
「誰かに伝える」ということはやっていきたいけれど、一人で前に立たされるとドキドキするので(小学生みたいに)、いつか誰かとコラボしてやれたらいいなと思っています。
絵本を仕事にすること、作家さんの話、絵本づくりや選書のお話、絵本専門士のお話、保育と絵本のお話などをテーマにお話しています。小学生へのコラージュ絵本作り講座は来年も別の学校で開催予定。みんなとてもいい作品を作ってくれて感激します。
【レポート】
今年はご縁があって、教育関連の学会レポートも書かせていただきました。他で書いたインタビュー記事を見て依頼していただいたのですが、研究誌への文章は普段の記事とは対象が違うので気を遣います。肩書きやお名前、数値データも明記し、感情に訴えるよりもきちっと事実が書かれていることが重要です。
とはいえ、わざわざ私のようなライターが召喚されるということは、一般の人にもわかりやすく役に立つ記事にしてほしいということ。まだ知識の浅い学生が読むこともふまえて、なるべく専門用語を少なく、この分科会参加したかったなと思えるようにと心がけました。無事入稿、改めて別の学会レポートも依頼がきてとりあえずほっとしました。
学会に参加したので、久しぶりの地方出張。あいた時間に地方の古本屋さんを2軒も回って満喫してしまいました。
【音楽絵本】
音の教室「カリヨン」という音楽教室で、今年は路線バスの運転手が不足していることを子どもたちにも知ってもらう内容で、音楽絵本制作をしました。市と市教育委員会が後援して、絵本の親子コンサートも開催しています。なんとフォレストデジタルさんの空間VR技術で、側面や天井面にまで映像を映して、まるで観客全員が大型バスに乗って旅をしているような体験も、コンサート内で演出。バスの大道具も作って、なかなか豪華なイベントとなりました。来年からはカリヨンで、イベントまで視野に入れた絵本制作を本格化させたいと思っています。
絵本『いろいろバス』は、池谷夏菜子さんにイラストをお願いし、私は編集を担当しました。カリヨンの平松さんが文章、丹保さんが作曲を担当、演奏はカリヨン、スタジオ録音はユニバーサルのあゆみ先生にご協力いただきました。絵本のテーマソングまであって、楽しいです。
音楽つき絵本『にじいろバス』
https://carillonline.theshop.jp/items/95258445
路線バスの運転手不足 歌と映像で子どもたちに伝える(朝日新聞の記事)
https://www.asahi.com/articles/ASS6H42PFS6HULOB00KM.html
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