9月1日は、子どもの自殺が1年間で最も多くなる日なのだそうです。学校に行きたくない、学校に行くくらいならいっそ…と思ってしまう。この問題にからめて1冊本を紹介したいのですが、といただいたお話が、『マンガで読む 学校へ行きたくない君へ』でした。
不登校・いじめ問題を、どう切り取るか少し迷いました。この問題はあまりに多様だから。いじめっ子といじめられっ子だけの問題じゃなくて、いじめていない子の立ち位置も、すごく重要です。親はつい「あと数カ月の辛抱だから」「相手にしなきゃいいのよ」なんて言いがちですが、本人にとってはその数カ月が大問題。身近な問題だからこそ、言い尽くされているような表面的な言葉で終わらせる記事なら書く必要はないのかなとも思いました。
著者の棚園正一さんは、小中学校の9年間不登校だった方です。「学校に行かせることがゴールじゃない」という言葉に、はっとさせられました。つい数日前にも、女の子が「私、3年生の間ずっと不登校だったの」とぼそっと言ったことがあったのです。「4年生もずっと不登校だった」「でも、いまは不登校をやめたの」と言われたとき、つい「学校に行けるようになってよかったね」という言葉をかけそうになったからです。不登校=よくないこと、というプレッシャーを、周りが与えているんだなあと反省しました。
この本、学校の道徳のテキストとして使ったらいいのになと思っています。自分までいじめの標的にされたくない、トラブルになりたくない、という気持ちで手をさしのべられない子がたくさんいます。学校に来れない子がどんな気持ちでいるのか、考えるひとつのきっかけになったらいいなと思います。
棚園正一さん「マンガで読む 学校に行きたくない君へ」インタビュー「そのときを肯定できるから今がある」16人の体験談
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