書籍サイト「好書好日」で、絵本『ようこそ こどものけんりのほん』をご紹介しました。
kodomoeで付録についていたときから、気になっていた本。えがしらさんの優しい絵に、ちゃんと大人と同じように子どもの声を聴いてあげて、という思いがこもった絵本だなあと思っていました。
でも「子どもの声を聴く」って、実際、育児中の親にはとても大変なことなんですよね。
頭ではわかっていても、子どもは反発したり、わがままなこと言ったり、約束をやぶったりする。子どもだからね。
それに対して親だって、良かれと思って、きつく怒ったり「〇〇しないと夕ご飯なしよ!」とか言ったりしている。
後で言い過ぎたかな、でもこれは本当にわかってほしいことで…と悩んでいるときに、「それって、子どもの声を聴けてますか?」と問われたら、きっとしんどい親もいますよね。
それでも、素直に言葉を受け止めてみれば、「よく考えると親の押し付けだったかな、どうかな」と振り返ることもできる。
もっと進めたら、「これがどんどん子どもを追いつめているんじゃないか。他のアプローチ方法ってなかったかな?」と考えることもできる。
絵本は教訓じゃなくて、きっかけなんじゃないかと思っています。
それに、絵本の形になれば、親子で一緒に読むことができるから、お互いの気持ちを共有することができるのもいいところ。
生活の中では「やるって言ったじゃない!」ってつい言いたくなるからこそ、絵本の時間に、ゆっくり気持ちを確かめ合って、「やりたくないときもあるよね」ってお互い素直に話せる時間が持てたらいいなあと思っています。
社会派じゃないお母さんにも読んでほしい本です。
■親子で読み、話し、考える絵本「ようこそ こどものけんりのほん」
https://book.asahi.com/article/15010489
最近、こういう人権問題だけでなく、ジェンダーの問題、不登校や発達障害の問題、環境問題、そういう関係の本の取材に行くことが多くあります。
社会派っていうわけじゃないんですよ。
だってね、自分の子どもが「実は同性が好きなんだ」と言ったら?
ある朝「学校行きたくない」って言ったら?
異常気象で、学校や習い事に行くのもままならなくなったら?
それって、普通に身近な話だし、明日にでも起こりうることではないかと思います。
そうなったら、お母さん、必死になって子どもの生きやすい道を開こうとするでしょう?
そうやって自分事として考えられるようになったら、お友達の子どものことも守りたいし、全然知らない人の子どもの未来も守りたくなる。
世の中は段階的に良くなるんじゃないかなと思っています。
でもこういう原稿書くの、とっても難しいです。
もちろん勉強もするんだけれど、インタビューした方と、読者のギャップがあると感じたとき、そこをうまく埋める作業が必要です。書き方を間違えれば、炎上する問題でもあります。
毎回、うまく伝わるといいなと思っています。「人権なんて、ジェンダーなんて、私には関係ない話」と思っている人が、はっと気づいて手を差し伸べるきっかけになってくれたら、と切に願います。
0コメント